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上野駅公園口駅舎

公共施設/東京

施主:東日本旅客鉄道

設計:JR東日本建築設計

撮影:ナカサ&パートナーズ

上野恩賜公園の入り口となる、「文化の杜」の風格を持つ上野駅公園口駅舎。 守り行く文化と切り開く芸術が一つ風となり杜の中を軽やかに舞う「杜の光風」のコンセプトを基に、存在感と透明感のある光風が駅舎を映し出すライティングデザインを行った。

文化の街に吹く杜の風をイメージして作られた駅舎に架かるC字の鉄製のルーバー形状は、より風を感じるような緩やかな曲線を描くため0.5°ずつ傾きをもっている。ルーバー間にひとつひとつ納められた特注の調光調色LEDブラケットはわずかに角度がずれると他のルーバーへ光がかかってしまうため均等性を見せるための配光制御を確立するため、入念な実験を行った。駅舎の外から器具を見上げた先の直視グレアに配慮して、遮光フードを設置。発光面に雨水などが貯まらないように水抜き穴を設けている。器具1台で両側に配置されたルーバーを効率的にライトアップするため、器具の中心に反射板を設けた。また、ルーバーの下部も照射できるように乳白パネルを追加し消灯時にLEDの点光源を目立たせない配慮も行う。メンテナンス性も考慮し、光源、電源共に交換対応が可能。

目の前にある文化的な歴史建造物や、由緒ある国立公園からの導線を考えルーバーの光は四季、そして季節と季節の変わり目の曖昧な時期で色味を変えている。15分に一度点灯しているルーバーに影の波が流れる演出が行われる。波は3パターンの波形をランダムに散りばめ不規則な波が自然現象に近い表現をすることで人工物を自然物の境界を曖昧にすることを目的とした。重厚感のあるキャストでつくられたルーバーがひとつひとつ傾きを変え、軽やかな印象をつくり多方面からの視線に対して情景を変える。風がそよいでいるような光の動きと四季によって変化のある色温度の表現が自然と呼応し上野公園の景観に馴染む光環境を目指した。

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